NOVA

僕はそんなにSFファンというわけではないのですけれども。

若くして亡くなられた伊藤計劃さんの未完の絶筆作品を読みたくて購入。
他にも好きな作家さんがいますのでー。


「忘却の侵略」
小林泰三さんの作品。
玩具修理者/酔歩する男」を読んだときの衝撃は今でも忘れません。
正直に言ってしまいすと、小林さんの文章ってファンから見ても下手の一言なのですが(悲鳴に「うぐわぁー」はねーよw)、この人のアイディアには毎度感歎とさせられます。
好きな人に好きといって明らかに返事が否定なのに、返事を実際に聞くまでは「観測していないので波動関数が収束されず好きと嫌いの両方の可能性が存在している」というのはなんとも理系的なギャグです。


「七歩跳んだ男」
山本弘さんの作品。
よくよく考えますと、僕は小学生当時からSNE時代の山本弘さんの小説を読んでいるわけで、もう20年近くに渡って断続的に読んでる作家さんになります。
今でも「戦慄のミレニアム」は好きな作品です。
思えば有名なシュレディンガーの猫も、この人の作品で知ったんだよなー。戦慄のミレニムア以上に、量子力学についてわかりやすく解説してくれたフィクション作品はないと思いますよ。
ガンダム00で使われたモノポールも山本さんの「サイバーナイト」で知りましたでございます。
この短編を読んでいるとき、ちょっと前にもう何度使われたかわからない「NASAは月にいっていなかった! 月には大気が存在する!」という珍説を某TV局が性懲りもなくとりあげていたことに対して、山本さんが自サイトで盛大に反論していたのを思い出しましたよ。

文系の人間が科学にうといのは、よくあることですよ(136ページ)

う、まったくその通りでございます。すみませんすみません。


屍者の帝国
伊藤計劃さんの未完の第四長編。
すごく、すごくこの作品を完成形で読みたかったです。
フランケンシュタイン的屍者の技術が実用化された改変世界で、大英帝国ロシア帝国グレートゲームの間で繰り広げられるエスピオナージュ。
きっと面白かったに違いないです。